私の邪馬台国物語のはじまりは2009年秋のこと。奈良県桜井市の纒向遺跡で1800年前の大型建物跡が見つかったのだ。
11月14日に現地説明会があるというので出かけた。
JR奈良駅から万葉まほろば線に乗り込む。単線で2輛編成。30分に1本しか走っていない。
普段はいつもガラガラなのに、驚くほどの混雑ぶり。この乗客のほとんどが巻向駅で降りた。
すぐに現地には行けず、旧小学校跡地で随分長い時間待たされた。それもそのはず、この日は全国各地から歴史好きが何と1万人以上も詰めかけたのだ。
桜井市教育委員会の橋本輝彦さん(現在は桜井市纒向学研究センター統括研究員)が説明されていた。若手の研究員たちも参加者の整理にあたっていた。
奈良に住んでいることもあって、若い頃から歴史、特に古代史には興味をもっていた。
しかし、この時の衝撃は尋常ではなかった。
ここが卑弥呼の住んでいた場所
女王・卑弥呼が祈りの日々をおくった場所だ。
「邪馬台国だ。ここから日本のクニづくりの歴史はここから始まった」
帰りの電車の中でも、興奮が収まらなかったのを覚えている。
以来、合間を見つけては、桜井市纒向学研究センターのセミナーにも参加、有楽町の東京セミナーにもほとんど毎年出かけた。
とうとう2020年秋に、地元の歴史好きの皆さんと「邪馬台国物語の会」を立ち上げた。
自分たちの住む地域やの日本のクニのことをもっと考えよう。そして、それぞれが思い描く邪馬台国物語を作ってみてはどうか、というのが目的である。
奈良県立橿原考古学研究所、桜井市・天理市教育委員会それにNHKにもご協力をお願いしてネット上に「纒向デジタルミュージアム」も立ち上げてしまった。
これを見れば、纒向遺跡こそが、邪馬台国の都であったことがわかってもらえる。
また、考古学を中心に先生方をお招きしてこの3年間で6回のセミナーも開催した。古代史ファンを中心に全国から60~70人が参加した勉強会でした。そして今回、邪馬台国の登場からヤマト王権誕生までを、数回に分けてのブログ形式の連載をはじめることにしました。
テーマは「邪馬台国物語~卑弥呼に会いたい~」。
耶磨人の「ひとりごと」にしばらくお付き合いください。
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